吹矢における新型コロナウイルスQ&A

日本スポーツウエルネス吹矢協会が行った「吹矢の飛沫飛散状況の可視化(見える化)実験結果」に基づいて 、私たちが抱く疑問に、協会会員であり医学博士でもある岡山県協会長の今井 博之氏がわかりやすい解説をしておられますのでご覧下さい

【Q1】実験はクリーンルームで行われたが、実際の練習会場にはすでに浮遊物があるのでは?

【A1】そのために換気が必要です。換気を行うと空気は数分で入れ替わるので会場へ入った時点で窓やドアを開け放し、練習時も 30 分おきくらいに換気を行うことが重要です。

【Q2】「息を吐く」で息には飛沫はないのでしょうか?


【A2】 息には飛沫は含まれません。飛沫とは咳やくしゃみでも飛びますが、唾(つば)やしぶきのことです。おしゃべりから飛沫が出るのは、唇がこすれることや口腔内の粘膜、唾液から出ます。マスク着用の効果は実験でもわかる通りです。ラウンドが終われば、矢の回収時や待機時間はマスク着用を徹底してください。

【Q3】なぜ筒から飛沫が出てないとの結論が導けるのですか?               

【A3】矢を吹いたとき、クリーニング直後は筒先から矢とともに粒子が確認されましたが、2 本目以降には減少し、筒内で付着した埃や繊維の可能性が高いとしています。飛沫によるものであれば、5 本すべてに同じように出てくると考えています。

【Q4】簡単な実験で、TV 画面に向かって空吹きをすると、ガラスに息を吹きかけた時に出来る「曇り」が見えますが、これは飛沫ではないのでしょうか。                  

【A4】曇りの水滴は呼気の結露と考えられます。吹矢の基本動作における「息を吐く」は呼気であり、細く長く吐く場合、口元や筒先から粒子は出ていません。但し、呼気は筒先から相当量出ていることは確認しておりますので、呼気により筒に結露(水滴)が生じるものと推測できます。

【Q5】筒から出ているのが呼気だとすると、呼気には感染リスクがないのでしょうか?     

【A5】新型コロナウイルス感染症の感染形式が、接触感染と飛沫感染だけであれば、呼気からの感染のリスクはかなり低いと考えられます。本実験にはあたっては、いわゆる「飛沫」と「呼気」を区別しています。呼気による感染があると考えるとリスクは相当拡大しますので、吹矢も他のスポーツもできないということになりますが、少なくとも日常の会話(マスクなしのおしゃべり)と比較して特別なリスクはないというところは導き出せたと考えております。しかし、会員の皆様に呼び掛けておりますのは、だからこれで安全ということではなく、日頃の健康管理と感染予防対策の徹底と、さらに的や道具の消毒も含めた「イマイ提言」の重要性です。むやみに怖がらず、正しく知って正しく怖がることを推奨したいと思っております